「それでは、これで最後になりますが……」
悠人が静かに切り出すと、梨枝、みるく、琴莉の三人は力なく顔を上げた。
記念撮影でいろいろなポーズをとらされ、何枚も何枚も写真を撮られたため、もう身も心もくたくただった。それでも「最後」というひと言が、沈みきっていた胸に小さな希望の火を灯す。
しかし悠人は、すぐには三人へ向き直らず、まず教室全体を見渡した。
「その前に、机を後ろに片付けてください。掃除するときみたいにね」
男子も女子も、椅子を机の上へひっくり返して載せ、まとめて教室の後ろへと移動させる。やがて、教室の前半分には広々とした空間ができあがった。その中央に立った悠人と三人を囲むように、みんなが車座に床へ座っていく。
次になにをさせるつもりなのか。誰もが、静かに見守っていた。
「それじゃあ三人とも、自分のお習字セットを持ってきて」
三人は黙ったまま立ち上がり、それぞれ自分の席へ向かう。そして、お習字セットを抱えて戻ってきた。
梨枝のお習字セットは、黒一色のシンプルなハードケースだった。飾り気は一切なく、実用性だけを追求したような、いかにも梨枝らしい堅実なデザインだ。
みるくのそれは、サックスブルーを基調に、下半分がチェック柄になっている。持ち手には大きなリボンがあしらわれ、ロリィタファッションを好む彼女らしい、かわいらしく華やかな雰囲気だった。
琴莉のものは、淡い黄色の布地いっぱいに、少し濃い黄色のひよこが散りばめられた愛らしいデザインだ。黄色い持ち手も相まって、まるで幼稚園児の通園バッグのような幼さを感じさせる。
「じゃあ、この段ボールの中身も全部出して」
三人は悠人のそばに置かれた段ボール箱へ歩み寄り、黙って中へ手を伸ばした。
段ボール箱から姿を現したのは、真っ白な書き初め用の半紙と、その下に敷く細長い下敷きだった。
梨枝は手際よく道具を取り出し、迷いのない動きで必要なものを並べていく。
みるくは一つひとつを両手で大切そうに抱え、慎重に運んだ。
琴莉は小さな腕いっぱいに抱え込み、落とさないよう何度も視線を落とし自分の場所へ戻ると、一生懸命並べていく。
「じゃあ、準備して。書き初めをするときと同じようにね」
三人はお習字セットを開いた。
梨枝は慣れた手つきで墨汁、硯、文鎮、筆を並べていく。無駄のない動きとは対照的に、表情はこわばっており、唇は固く結ばれたままだった。
みるくは爆乳をかすかに震わせながら、一つひとつの道具を両手でていねいに取り出し、きちんと位置をそろえて並べていく。
琴莉は筆を危うく取り落としかけ、「あっ」と小さく息をのみながら慌てて持ち直した。不安そうな表情のまま道具を並べていく。
その様子を見守る男子も女子も、悠人がなにをさせようとしているのか、まだ見当がついていないようだった。
教卓の前には、書写の授業、それも書き初めを始める直前そのものの光景が広がっている。
もっとも、これから三人が書くのは、書き初めではなかったのだが……。
「これから三人には、誓約書を書いてもらいます」
そのひと言に、三人はそろって戸惑いの表情を浮かべた。
男子も女子も、互いに顔を見合わせる。
そこで悠人は気づいた。自分には当たり前の言葉でも、みんなにとって「誓約書」という言葉は難しかったのだと。
「誓約書っていうのはね、『この約束をちゃんと守ります』っていうことを、紙に書いて残すものなんだ。あとで『そんな約束してない』なんて言わないようにするためのものだよ。だから、今回は、『男子の言いなりになります』という約束を、女子のみんなに書いてもらうことになるね。もちろん……」
悠人はゆっくりと教室を見渡した。
「こんな紙がなくても、クラスの女子が男子の言いなりになるっていうことは変わらない。でも、大切な約束は、ちゃんと文章にして残しておくものだからね」
全員が説明を理解したことを確かめると、悠人は三人の前へ歩み寄った。
「それじゃあ、こう書いてね」
しゃがみ込むと、真っ白な半紙を指差す。
「まず、『今日から、卒業までの間、男子の言いなりになります』って。このあたりから始めてね」
そう言って、半紙の上三分の一ほどの位置を示した。
三人は一瞬だけ悠人の顔を見上げ、それから静かに筆を執る。
筆先を墨汁に浸し、ゆっくりと半紙へ運んだ。
(……さすがに梨枝は、書道も上手だな)
梨枝の筆運びは迷いがなく、一文字一文字が端正に並んでいく。唇を真一文字に結び、悔しさを押し殺すように黙々と筆を走らせていた。
(みるくちゃんは、まあ普通かな)
みるくの字は、丸みがあってやわらかく、どこか女の子らしい印象だった。だが、筆を持つ指先は小刻みに震え、そのたびに墨がわずかににじんでいく。
(琴莉ちゃんは……うん、子どもらしくて元気な字だね)
琴莉の半紙には、「今日から、そつぎょうまでのあいだ、男子のいいなりになります」と、ひらがなが多い文章が並んでいた。漢字がわからなくても、一生懸命書こうとしている様子が、その文字から素直に伝わってくる。
男子は興味深そうにその様子を見守っている。一方の女子は、いずれ自分たちも同じことを書くことになるのだと思い、誰もが沈んだ表情で三人を見つめていた。
やがて三人は、そろって筆を置く。
真っ白だった半紙には、屈辱の誓いが黒々と刻まれていた。
「それじゃあ次は、このへんに今日の日付を書いて。『令和×年四月二十一日』ね」
悠人は半紙の下三分の一、その中央あたりを指差す。
三人は黙って筆を動かし、日付を書き入れていく。
全員が書き終えたのを確認すると、悠人はうなずいた。
「それから、その左に名前。いつものお習字みたいに書いて」
三人はそれぞれ、
『六年一組 杉本梨枝』
『六年一組 牛島みるく』
『六年一組 皆野琴莉』
と、それぞれ自分の名前を書き添えた。
「うんうん、それでオッケー。もう筆は置いていいよ」
三人は静かに筆を置いた。
だが、その表情にはまだ戸惑いが残っている。
書き初め用の細長い半紙には、上部に誓いの言葉があり、下部には日付と名前が並んでいる。
その一方で、広い中央部分だけが、不自然なほど真っ白なまま残されていた。
「さてと……」
悠人は小さくつぶやくと、段ボール箱の中から赤い墨汁を取り出した。先生が添削に使うための朱墨だ。ふたを開け、硯へ少しだけ移す。筆先にたっぷりと含ませながら、みんなへ説明を始めた。
「誓約書には、本当は印鑑を捺すんだ。でもね、印鑑がないときは、親指で捺す『拇印』を使うんだよ」
その瞬間、男子たちの視線がいっせいにみるくの爆乳へと集まった。
「そのボインじゃないよ、まったく。親指の拇印のほう」
教室に男子たちの笑い声が広がる。
「でも今日は、親指じゃなくて、ちがうところで捺してもらうよ」
そう言うと、悠人は朱墨を含ませた筆を手に、ゆっくりと琴莉の前まで歩いていった。
「親指の代わりに、女子には、おま○こで捺してもらいます」
三人は一瞬、きょとんと目を丸くした。
意味が飲み込めず、互いの顔を見合わせる。
しかし次の瞬間、その意味を理解すると、三人の頬はみるみる赤く染まっていった。
「魚拓ってあるでしょ。魚に墨を塗って形を写し取る、あれ。今回は魚じゃなくて、おま○こだから……」
悠人は少し間を置いて、にやりと笑う。
「『まん拓』だね」
その下品で淫靡な造語に、男子たちの間からどっと笑い声が上がった。好奇と興奮に満ちた視線が、三人の下半身に集中する。
悠人は満足げにその光景を見渡すと、さらなる念押しするように続けた。
「女子には誓約書を書いてもらったあと、自分が書いたという証明のために『まん拓』を捺してもらいます」
一方、梨枝は唇を強く噛みしめ、みるくは恥ずかしそうに肩をすくめる。琴莉は不安を瞳にたたえ、小さく身を縮こませていた。
「それじゃあ、まずは琴莉ちゃんからにしようか」
もちろん悠人は、「琴莉担」である熊田への仁義も欠かさない。
「今回は説明も兼ねるから、ボクがやらせてもらうね」
熊田が素直にうなずくのを確認すると、悠人はやさしい視線を琴莉に向けた。
「それじゃ、立って」
正座をしていた琴莉は、小さくこくりとうなずき、おとなしく立ち上がった。細い脚がわずかに震えている。
悠人は、琴莉のツルツルとした幼いおま○このまわりに、朱墨を入念に塗り広げていく。ひんやりとした筆先の感触に、琴莉はくすぐったそうに肩をすくめ、身体を小さくよじる。そして、思わず「クスッ」と愛らしい笑い声を漏らした。
「うん、泣き顔より笑顔のほうが、琴莉ちゃんにはずっと似合っているよ」
悠人がそう言うと、熊田も「そのとおりだ」と同意の声を上げた。
その言葉を聞いた琴莉は、熊田のほうをまっすぐ見つめる。少し照れくさそうにはにかみながらも、今度は先ほどより自然な笑顔を浮かべた。
そんな二人を見ているうちに、悠人は思わず口元をゆるめた。
熊田の想いは、隠しようがない。そして琴莉も、彼に向ける表情が少しずつ柔らかくなり、頼るような仕草まで見せ始めている。
――もう、この二人は正式にくっつけてしまってもいいかもしれない。
そんな考えが、悠人の胸の中で静かに膨らんでいく。
(でも、それは今後のことだな……)
構想はいろいろ浮かんだ。しかし、それを実行に移すのはまだ先の話だ。
今は胸の内にしまい込み、悠人は筆を置いた。
「そのまま、おま○こが半紙の中央に来るように寝そべって……」
琴莉を相手にしていると、つい小さな子どもに話しかけるような口調になってしまう。
「そうそう、その調子。上手だよ、琴莉ちゃん。それじゃ、ほんの少しだけおま○こを上下左右に動かして……うん、これでちゃんと捺せたと思う」
悠人は満足げにうなずき、琴莉をゆっくりと起こした。
半紙の中央には、くっきりとした「まん拓」が赤く残されていた。琴莉の幼く無垢なおま○この形が、はっきりと見てとれる。
「うん、これなら本人が書いた証明としては完璧だね。おま○この形は、一人ひとりみんなちがうんだから」
悠人の言葉に、男子たちから感嘆と興奮のざわめきが上がった。
「それじゃ、熊田くん。ボクは次があるから、琴莉ちゃんの墨汁を拭いてあげて」
熊田はすぐに前に出て、琴莉の前に膝をついた。大きな手で琴莉の細い腰をやさしく支えながら、もう片方の手でウェットティッシュをていねいに当てていく。
「琴莉ちゃん、ちょっと脚を開いてね……」
熊田の声は驚くほどやわらかく、まるで本物のお兄さんが妹のお世話をするようなやさしさだった。
敏感なおま○こについた赤い墨汁を、拭き取るというよりは撫でるように、ゆっくりと念入りに拭いていく。ティッシュ越しに伝わる温かさと、時折指先が直接触れる感触に、琴莉は「ん……っ」と小さく声をもらした。
「くすぐったい……? もう少しだけ我慢してね」
熊田は琴莉の潤んだ瞳をやさしく見つめながら、穏やかに微笑む。そして、さらにていねいに、慈しむように指を動かし続けた。
琴莉は頬を染めながらも、クマさんの大きな手に身を委ね、素直に脚を少し広げて任せていた。その姿は、まるで甘える幼い妹のようだ。
完全に落ちきらない薄紅色の跡が残る中、熊田は最後に、自らの手でいとおしむように琴莉のおま○こ全体を撫でるように確認した。
「ひゃん!」
「うん、もう手につかないね。よく頑張ったよ、琴莉ちゃん」
「ありがとう、クマさん!」
琴莉は、今までになく素直な声で礼を口にした。
これまでにも「ありがとう」と言ったことはある。だが今回はそれまでとは違い、戸惑いや不安はもうほとんど感じられなかった。熊田を心から信頼しているからこそ、ごく自然にこぼれた感謝の言葉だった。
その変化がうれしかったのか、熊田は満足そうに目を細めると、琴莉の頭をやさしくひとなでしてから、車座の中へ戻っていった。
「それじゃあ、次はみるくちゃんね」
みるくはおとなしく立ち上がった。悠人に促されるまま、その身を素直に任せる。しかし、瞳の奥には深い羞恥が激しく渦巻き、唇をきつく噛みしめていた。頬はすでに真っ赤に染まっている。
筆にたっぷり含まれた冷たい赤い墨汁が、ツルツルとしたおま○こに触れた瞬間、みるくの身体が小さくビクッと震えた。
「あん……ッ♡」
くすぐったさと快感が混じり合い、細い喉から抑えきれない吐息が漏れる。
「さっきの琴莉ちゃんを見てたから、わかるよね。同じようにしてね」
みるくは無言で半紙の上に寝そべった。しかし、琴莉とは大きくちがう問題があった。
たわわに実った巨大な爆乳が大きく邪魔をし、完全にうつ伏せになれない。やわらかく重い乳肉が半紙に押しつけられ、形を変えて潰れ、プルプルと波打つ様子が、淫らさをこれでもかと強調しているようだった。
「さぁ、おま○こを動かして……」
頰を真っ赤に染め、みるくはぎゅっと目を固く閉じた。耳まで熱くなるほどの羞恥に耐えながら、悠人の指示に従い、腰を半紙に押しつけたまま、ゆっくりと前後左右に動かし始める。巨大な乳房が半紙に擦れるたび、柔肉が大きく揺れ、紙が破れないよう慎重に調整する姿が、余計に惨めに見えた。
「うん、もういいと思うよ、みるくちゃん」
悠人の満足げな声とともに、みるくの誓約書の中央にも、くっきりとした赤い「まん拓」が捺された。淫らに残されたおま○この形が、この誓約書がまちがいなくみるく本人によって書かれたものだと、証明していた。
悠人は、みるくのおま○こまわりを、ウェットティッシュで丁寧に、まるで大切なものを扱うように念入りに拭き取っていった。
「ふあぁんッ♡」
まだ熱を帯びて疼く敏感な蕾や柔肉を、ティッシュ越しに優しく撫でるように何度も往復されるたび、みるくは小さく身をよじり、甘く震える吐息を抑えきれずにいた。
拭かれる刺激が強くなるごとに、恥ずかしさで頬が熱くなり、腰が自然と逃げようとするのに、足は勝手に震えて開いたままになってしまう。
まるで赤ちゃんのお世話をしているような悠人の穏やかな手つきと、対照的な自分の淫らな反応に、みるくの胸は羞恥でいっぱいになった。
ようやく拭き終えると、悠人は満足げに小さく頷き、視線を残る一人へと移した。
「では最後に、杉本さんですが……」
みんなにそう告げると、悠人はわざと大きなため息をついた。
(まったく、めんどくさい。さすがにこれじゃ、きれいな「まん拓」が取れないじゃないか)
内心でそう思いながらも、このあとの光景を想像すると、面倒さなど吹き飛ぶほどの期待が勝っていた。
悠人に促されるまでもなく、梨枝はおとなしく立ち上がる。しかしその表情はすでに限界に近く、激しい恥ずかしさと悔しさで歪み、唇が小さく震えていた。
「見てのとおり……」
悠人は車座で取り囲む男子たちに視線を向け、わざとゆっくりと言った。
「おま○こにボウボウのまん毛が生えています。このままでは、きれいな『まん拓』は取れません。だから今回は、一時的にそこを剃ります」
「ちょっ……悠人、アンタ……」
梨枝は声を震わせて抗議しかけた。だが、それ以上は言葉が続かない。新たな「常識」に縛られているため、顔を真っ赤に染めたまま歯を食いしばり、必死に耐えることしかできなかった。
悠人は、梨枝の抗議を聞かなかったことにした。
「別に剃ったからといって、二度と生えてこなくなるわけではありません。ですから、次回の学級会で、杉本さんのまん毛をどうするか正式に決めるうえで、支障はないと思います」
悠人はあらかじめ用意していた身だしなみセットを取り出した。
梨枝の瞳に、絶望の色が濃く浮かぶ。
「じゃあ、少し脚を開き気味にして」
梨枝は言われた通りに脚を開いたが、顔を強く横に背け、視線を必死に逸らした。耳まで熱くなり、涙がにじみそうになるのをこらえる。
悠人はまずハサミで陰毛を短く切り揃え、続いて電気カミソリでさらに刈り込んでいく。低い駆動音だけが、静かな教室に小さく響いた。
「梨枝、手でおま○こを開いて。内側にも少し毛が生えているから」
震える指先を這わせ、熱く濡れた花びらを左右に割り広げる。指の腹に感じる自分のぬめりと熱に、吐き気にも似た屈辱が込み上げた。
太ももが勝手に閉じようとするのを必死に堪え、荒い呼吸が肩を小刻みにふるわせる。教室中の視線が、剥き出しになった秘部に突き刺さるのが痛いほどわかった。
最後にレーザー脱毛器を当てると、処理したばかりの敏感な肌に鋭い熱が走り抜けた。
「ひっ……あぁっ!」
梨枝の身体がビクンと大きく跳ね、喉の奥から嗚咽をともなった甘く情けない声がもれた。目尻からこらえきれなかった涙が一筋、頬を伝い落ちる。
すべての飾り毛がなくなった今、梨枝のおま○こは完全に無毛の、つるつるとした幼い割れ目へと戻っていた。
それは、ほんの数か月前と同じになった過ぎない。だが、ようやく芽生え始めた、少女としての成長の証を容赦なく奪われ、教室の明るい照明の下で、ぴったりと閉じた薄桃色のスリットが、誰の目にもはっきりとさらされている。
処理したばかりの火照った敏感な肌に、冷たい赤い墨汁が塗り込まれると、くすぐったさなどではなく、鋭い刺激が梨枝を襲った。
「っ……あっ、んんっ!」
膝が小刻みに震え、腰が思わず引けて逃げようとするのを、必死に堪えなければならなかった。
つるつるのおま○こ全体に、筆でねっとりと墨汁を塗り広げられる感触は、ただの屈辱を超えて、身体の芯まで震わせるほどだった。
それでも、ほどなくして梨枝の誓約書の中央にも、色鮮やかでくっきりとした「まん拓」が捺される。
自分の最も恥ずかしい部分の形が、はっきりと紙の上に刻み込まれた瞬間、梨枝は言葉にならない嗚咽を漏らした。
悠人はウェットティッシュで朱墨を丹念に拭き取っていく。おま○この割れ目や、内側の敏感な粘膜の隅々まで、時間をかけてやさしく、しかも執拗に。
ティッシュ越しに伝わる温かさと、時折直接触れる指先の感触に、梨枝の腰がびくびくと跳ねた。
「ん……っ、はぁあんッ♡」
不意に鼻にかかった甘く淫らな声が、教室に響く。
幼なじみの手によって、再び絶頂へと追いやられた自分に、梨枝は深い屈辱と、抑えきれない快感の狭間で震えている。
悠人はそんな梨枝の反応に、深い満足を覚えながら、拭き上げる手をゆっくりと緩めた。
「それじゃあ、三人とも立ち上がって。そして、誓約書を胸の前に掲げてください」
梨枝、みるく、そして琴莉の三人は、文鎮をどかし、白い半紙を両手で持った。そして立ち上がると、誓約書がはっきりと見えるよう、胸の前に掲げる。
黒い墨で書かれた「今日から、卒業までの間、男子の言いなりになります」という誓いの言葉。日付と署名、そして中央にくっきりと捺された、秘部そのものを写し取った淫らな朱色のまん拓。そのすべてが、教室の明るい光の下で、誰の目にもさらされていた。
「この誓約書は、教室の後ろに、卒業式の日まで貼っておくことにします。掲示係さんは、貼ってある習字を剥がして、あとで女子全員分の誓約書を貼ってください」
男子の掲示係から「任せとけ!」という威勢の良い声が飛ぶ一方、女子の掲示係からは「はい……」という消え入りそうな小さな返事が返ってきた。
貼られている「平等」という文字の書かれた習字が剥がされ、代わりに屈辱的なまん拓の捺された誓約書が貼られることになる。それは、この教室の日常、ヒエラルキーが完全に塗り替えられたことを、視覚的に、象徴的に示す出来事になるのだ。
「ですが、それは女子全員が済んでからのことです。とりあえず、杉本さん、牛島さん、皆野さんは、誓約書を持ったまま黒板の前に立っていてください。他の四組、残り十二人の女子全員が終わるまでです」
三人は小さく返事をすると、指示に従った。
梨枝は胸の前で誓約書を掲げる指先に力を込め、唇を固く結んでいた。悔しさと恥ずかしさが胸の奥で激しく渦巻き、指先が白くなるほど握りしめている。
みるくは耳まで真っ赤に染め、視線を床に落としていた。教室中から注がれる熱い眼差しを感じるたび、薄い半紙が何倍もの重さのように感じられ、消えてしまいたいという思いが募る。
琴莉は、はにかんだようなぎこちない笑みを浮かべていた。緊張を紛らわせるためなのか、自分でもわからない。ただ、クマさんに救いを求めるように、チラチラと不安げな視線を向け続けていた。
三人はそれぞれまったく異なる思いを抱えながらも、胸の前に掲げた誓約書を下ろすことはできずに、黒板の前で静かに立ち続けていた。その姿は、新たな「常識」がこの教室に根付いたことを、誰の目にもはっきりと示す光景だった。
「それでは……」
教室を見回しながら、悠人はゆっくりと、満足げに言った。
「次の三人は誰がいいですか?」
男子たちから、女子の名前が次々と挙がり始める。興奮した声が教室中に広がり、熱気となって充満していく。
まだまだ、この学級会は終わりそうにない。
そして、これはほんの序章にすぎなかった。
なにしろ、六年生はまだ始まったばかりだ。
これからは、「まん拓」の捺された誓約書が壁にずらりと貼られた教室で、新たな常識のもとで日々を過ごすことになる。
しかも悠人は、普段の学校生活だけで満足するつもりなど毛頭なかった。遠足、運動会、泊まりがけの修学旅行……学校行事のたびに、クラスの女子たちは男子の言いなりとなり、これまで想像もしていなかったような恥辱にさらされ続けるだろう。
なにしろ「常識」を書き換えられるのだから、悠人に不可能はない。
そして、卒業式の日までに、六年一組の女子たちは、いったいどれほどの羞恥と辱めを味わうことになるのか……。
その答えを知っているのは、悠人ただ一人だった。
(おわり……?)
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