年齢や体格の差をものともせず、すっかりと打ち解けてしまった智美とはづき。
噴水を浴びて歓声をあげたり、追いかけっこをしたりと、たわいもない遊びを繰り広げていた二人だったが、やがて、はづきがある疑問を口にした。
「ねえ、智美お姉ちゃん?」
「なあに?」
「智美お姉ちゃんのお胸って、はづきのと違うよね?」
「そう?」
「うん。でも、ママのおっぱいとも違う……」
そこまで言って黙りこくったはづきは、智美の胸を、なおも見つめ続けていた。そして、不意に手を伸ばしてきたが、それは無意識のうちの行為だったのだろう。触れる直前で、ハッとした感じで手を引っ込めた。
そんな彼女に、智美は優しげに微笑むと、こう告げた。
「ねえ、はづきちゃん。お姉ちゃんのお胸、触ってみる?」
「いいの?」
「いいよ」
その言葉に、はづきは自らの手を伸ばすと、その小さな手のひらで智美の胸を覆った。
「なんか、ぷにぷにする。おもしろーい!」
そんな無邪気な感想を述べたはづきは、さらには手を動かし始めた。それもやはり無意識のうちだったのだろうが、期せずして揉みしだくような形となる。
そんなはづきの行為に、智美は思わず体をくねらせた。
「あはっ。智美お姉ちゃん、くすぐったいんでしょ?」
智美のしぐさをそう捉えたはづきは、イタズラ心を刺激されたのか、よりいっそう手の動きを速くする。だが、それでもなお、智美はなにも言わない。
そんな様子に、どこか不思議そうにしていたはづきだったが、不意にあることに思い至ったようだ。
「わかった! 我慢勝負だね? はづき、絶対に智美お姉ちゃんのこと、笑わせちゃうんだから」
それから、どれぐらい経ったのだろうか。智美が不意に、どこか鼻にかかった声で、小さくつぶやいた。
「あん……っ」
これは、自分が勝ったということでいいのだろうか? 少し息を上がらせている智美を前に、はづきはそんな疑問を抱かずにはいられなかった。
初出:pixiv(https://www.pixiv.net/artworks/96425011) 2022/2/21
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