年上の少女に声をかけられた幼女は、思わずといった感じで見上げたものの、どこか怪訝そうな様子。そして、しばらくの間、相手の顔をじっと見つめていたが、やがて、その小さな口を開いた。
「ねぇ……、お姉ちゃんは、おっきなお姉ちゃんなのに、なんで裸んぼなの?」
「えー、裸んぼじゃないよ。だって、パンツ穿いてるもん」
ニッコリ微笑みながら、そう答えた彼女に対して、それでもどこか納得のいかない様子の幼女。それに対して、少女が逆にたずねた。
「ねぇ、お名前は?」
「木元はづき、5歳。むつき幼稚園の年長さんです!」
条件反射的にそう答えてしまったのだろう。元気一杯に返事をした幼女に対して、少女も自己紹介をした。
「安藤智美、12歳。睦月小学校6年2組です」
そして、一呼吸置くと、こう続けた。
「ねぇ、はづきちゃん。お姉ちゃんの格好、どこかおかしいかなぁ? はづきちゃんとおんなじだと思うんだけど?」
そんな問いに、しばらく首を捻っていたはづき。だが、やがて納得がいったようだ。
「そっかー。そうだよね。はづきとおんなじだもん、裸んぼじゃないよね」
ようやく笑顔を見せたはづきに対して、智美もふたたび微笑んだ。
初出:pixiv(https://www.pixiv.net/artworks/96321169) 2022/2/17
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